自由民主党 大分県議会議員 油布 かつひで 公式ホームページ

県議会代表質問の詳報

六月二十日 定例県議会本会議 自由民主党 由布かつひで 
1 人口減少社会について
 私はこれまで、本県の人口減少問題や過疎開題についてこの席から幾度となく質問をさせて頂きました。私は少子高齢化が急速に進む本県で国の施策を待っていては、全くの手遅れになると心配しています。
 このままでは、県内のいくつかの市町村はやがて消滅してしまうということが、現実になるかも知れないと非常に憂慮しています。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、本県の人口は2010年度は119万7千人、2015年度は116万9千人、そして、2020年のオリンピックイヤーは113万4千人に減るとされています。団塊の世代が超高齢化する2025年には、100万人台をかろうじて維持し、109万4千人、そして2040年にはついに100万人を割り込み95万5千人になると予測されています。市町村にとって人口の減少は深刻です。私は今年の春、桜の咲き誇る山あいにあるいくつかの集落を訪ねました。大分市大南地区と大分市野津原地区にある集落です。これらの集落はいずれも65歳以上のお年寄りが50%以上どころか100%の、いわゆる絶対的な限界集落です。
 子供たちの気配はありません。所どころに「〇〇小学校」「〇〇中学校」という、学校の跡地であることを示す記念碑が建立されていました。空き家が散在しており、中には内部までツタでおおわれた家屋もあり、集落30軒のうち、20軒が空き家となっていました。
 この集落の住民から、日々の生活についてお聞きしました。異口同音に「道路は、けもの道に毛がはえた程度です。幹線道路まで普通車が通れるような道がほしい。」と訴えていました。また、小さな棚田や段々畑は鳥獣被害を受け、農作物が根こそぎやられるケースが多いという話も伺いました。中には「もう、何も望むことはない」と、諦めている人もいます。
 子供が成人した家庭では、週に何回か他の地域で暮らしている子供が食料品や身の回り品を届けてくれるそうです。子供がいない人や、子供が遠く離れて暮らしている人は、たまに来る巡回移動販売車を待っか、歩いてバス停や駅まで行き、買い物などの用事を済ませると言います。こうした集落は、県内全域に散在し、相当な数に上っているとみられます。これらの地域に、行政サービスが十分に行き届いているのでしょうか。政府の言う「全国津々浦々」に光を当て、活性化するという施策のハードルは非常に高いように感じます。キメ細かい対策を求めます。



(1)人口減少対策について
 県民の生活は、各市町村の中心からなだらかなグラデーシヨンを描くように山あいの集落まで及んでいました。しかし現在、これらの集落では学校は統廃合されて跡地が残り、わずかな人々が住んでいる状況です。また、労働力が都市部に流れて行き都市一極集中が進みました。その結果県下でも大分市において急速に人口が増加しましたが、2015年頃から、その大分市でさえ人口が減少し始めています。つまり、県内のほぼ全域で人口の下ぶれが起こっていることになります。
 人口減少に歯止めをかけるためには、
 ①大手企業や工場の誘致
 ②地域企業の育成などで就業機会を増やすことにより、県外への人口流出を防ぐことが効果的であることは共通の理解だと思います。
 また、UIJターンなどによる転入を促進することも、非常に大事です。最近、県外から本県への移住者、家族が増えています。これは、本県特有の住みやすい土地柄、気候風土に恵まれていることに加え、県、市町村それぞれの「おもてなし」政策の効果が出始めたがらだと思います。
 しかし、住みやすさや、おもてなし政策に加えて、就業機会を増やし、移住者の希望にマッチした職業に就いてもらうことが大変重要であり、これが各自治体にとって最も頭の痛い問題だと思います。
 県は、平成27年にまち、ひと、しごと創生本部を立ち上げ、市町村と連絡して対策を進めてきました。
 そこで改めてお聞きします。県は人口減少をどうとらえて、県政の課題の中でどのような位置付けをしていますか。
 併せて、これまでの取組の成果と、今後の対応について知事にお伺いいたします。

6月20日(火) 広瀬知事答弁
 担当課 企画振興部 まち・ひと・しごと創生推進室 (宇都宮2022)


 人口減少対策は喫緊の課題であり、今、国・地方を挙げて地方創生に力を入れています。この地方創生は、知事就任以来進めてきた 「安心・活力・発展の大分県づくり」 と軌をーにするものであり、これまでの成果の上に新たな政策を積み上げ、全力を挙げて取り組んでいます。
 人口減少は避けて通ることが出来ませんが、できるだけ減少を緩やかにし、歯止めをかけることが肝心です。そうした成果も少しずつ出始めてきました。人口の自然増減では、昨年の合計特殊出生率は、1.65と全国14位から7位に躍進し、0.06の上昇幅は全国1位です。出生数は前年より53人減少しましたが、減少率は全国で最も低かったところです。
 社会増減では、転出者数は全国で唯一、3年連続で減少し、また、転入者の面でも昨年度の移住者数は過去段高の768人となりました。議員ご指摘の小規模集落の問題ですが、実は子育て世代の移住効果もあり、3年前の推計で27年度末1,162集落、全集落に占める割合27.3%のところ、実績は1,0 5 1集落24. 7%と少しずつですが改善されてきています。
 県政ふれあいトークで地域に出かけると、10年程前は「高齢者ばかりで将来が心配だ」という声が多く聞かれましたが、最近では、移住者等の力を取り入れ地域に活力をもたらしたり、儲かる農林水産業に取り組んだことで子供がUターンし後継者になるなど、自信がみられ、随分明るくなったと感じています。
 このように、地方創生に取り組む我々の方向は間違っていないと考えています。引き続き、総合戦略の4つの柱、「人を大事にし、人を育てる」「仕事をつくり、仕事を呼ぶ」「地域を守り、地域を活性化する」「基盤を整え、発展を支える」のもと、各分野の取組を強化し、地方創生を加速します。
 人の分野では、待機児童の解消など子育て満足度日本ーや健康寿命日本一に向けた取組等を進めます。仕事の分野では、昨年、過去最高の件数を記録した企業誘致に努めるとともに、地域に密着した農林水産業や観光の振興を図ります。特に雇用では、多様な担い手の創出に向け、若者や女性、シニア、U I Jターン等の県内就職者数を31年度までの3年間で18,500人確保します。地域の分野では、若者や女性の主な転出先である福岡方面からのUターンに力を入れるとともに、小規模集落対策やネットワーク・コミュニティの構築を進めます。基盤の分野では、広域交通ネットワークの整備をはじめ、九州の東の玄関口としての拠点づくりに取り組みます。
 市町村とも力を合わせ、地方創生の道をしっかり歩んで、夢多い大分県を創ります。
 

(2)少子化対策について
 6月初めの厚生労働省の発表によりますと、2016年に全国で生まれた赤ちゃんの数は、史上初めて100万人を割り込み、97万6,900人まで減少しました。本県においても出生数は9,059人で、ー万人を割り込んでいます。
 人口を増やすには、合計特殊出生率を増加させることが必要です。本県の合計特殊出生率は長く低下の一方でしたが、このところ、ようやく横ばいか微増の傾向が見られるようになりました。2016年の合計特殊出生率は1.65で全国7位となり、22年ぶりに1.6台となりました。2015年の1.59からの増え幅は0.06で全国1位です。特殊出生率の上昇は厳しい課題であり、少しでも増えたことは、県や市町村の施策の賜物だと敬意を表します。しかし、特殊出生率が2.07以上にならなければ、人口増にならないと言われており、よほどの奇跡が起こらない限りこの数値の達成は夢物語でしょう。
 合計特殊出生率を引き上げるためには、思い切った取組が必要だと思います。
 私は昨年の第1回定例会で第一子に100万円、第二子に200万円、第三子以降に300万円の出産祝い金を給付するなど、「子供は未来の宝」として思い切った先行投資をすることも必要ではないかと質問したのに対し、「予算が大き過ぎて困難である」という答弁を頂きました。
 しかし、県、市町村が予算配分の考え方を大転換し、人口減少を抑制し、増加に転ずるよう大胆に政策変更することが必要だと考えます。
 ここで大手企業メーカーの事例を紹介します。この会社は2005年度から子供が生まれると100万円を支給する制度をつくり、初年度には3つ子が生まれ、この制度により300万円を支給しました。2008年度には双子14組を含む724人の赤ちゃんが生まれ、赤ちゃんは毎年増え続けているということです。このことからも出産祝い金は非常に有効であることが分かります。県単独での事業実施が困難であるなら、モデル的に市町村と連携して実施し、効果を検証することも必要ではないでしょうか。見解をお伺いします。

6月20日(火) 長谷尾福祉保健部長答弁
 担当課 福祉保健部 こども未来課

・百万円などの出産祝い金について、昨年の出生数9,059人で試算すると、162億円が必要。仮に県と市町村で折半した場合でも、県の負担は81億円と多額になる。
・これまで県は、市町村と連携して、未就学児の医療費を無料とするなどの助成をはじめ、3歳未満児の保育料を第二子半額、第三子以降は無料とするなど、子育て家庭の経済的負担の軽減に努めてきた。
・また、婚活支援や不妊治療費の助成拡大、病児保育の充実、地域の子育て支援サービスに利用できるおおいた子育てほっとクーポンの配布など、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまでの切れ目ない支援を行っている。これらの子育て支援関係経費は、135億円に達しており、先ほどの81億円はいかに大きな額かと言わざるを得ない。
・また、一部の市町村のみで実施することは、他の市町村をはじめ、県民全体の理解を得にくいのではないかと考える。


(3)若者の結婚について
 出生率が伸びない理由の一つに、若者の結婚が激減していることが挙げられると思います。「収入が少なく、家庭を築く自信がない。出産した後の子供の養育費、教育資金が不安。」といったこと、が最大の理由と聞いています。
 そこで伺います。若い20歳台から40歳台初めまでのいわゆる結婚適齢期にある人たちの結婚している割合は年代によってそれぞれ何%と把握していますか。また、落ち込んでしまった婚姻件数について、その克服にどんな方法で取り組み、どんな効果、が出ているのでしょうか。

6月20日(火) 長谷尾福祉保健部長答弁
 担当課 福祉保健部 こども未来課

・平成27年の国勢調査によると、大分県の20から44歳までの有配偶者割合は49.4%で、5年前と比較すると横ばい。これを年代別で見ると、20から24歳で7.6%、25から29歳で33.7%、30から34歳で55.3 %、35から39歳で64.0%、40から44歳で67.3% となる。
・一方、50歳まで一度も結婚していない生涯未婚率は、男性が21.9% でおよそ5人に1人、女性が14.2% でおよそ7人に1人で、いずれも前回より上昇している。
・このため、結婚する意欲はあるのにチャンスがないという若者の出会いの支援として、27年度から広域婚活イベントやセミナーを開催しており、毎年度施策を拡充しているところ。この動きは、企業や経済団体にも広がりつつある。
・また、先週の「ファザーリング全国フォーラムinおおいた」において、若者を対象に、結婚や子育てについて考えてもらう講座を開催するなど、結婚を前向きに捉える機運醸成を進めている。今後も、若者の結婚の希望を叶える取組を強化していきたい。


(4) 旧町村部における行政サービスについて
 国は平成の市町村大合併を主導し、県内の市町村数は58からわずか18にまで激減しました。行政の効率化が狙いであり、それは見事に成功したと思われます。
 単純に考えても40の町村から首長や幹部、職員がいなくなり、一般職員も大幅に減っています。また、議会もなくなり、議長、副議長、議員がいなくなり、最終的に、庁舎も一部しか使われなかったり、撤去されたりしました。その結果、合併市町村の行政サービスが著しく低下したと言われています。
 合併で消失した旧町村の住民が、十分な行政サービスを受けることができる行政の仕組みが必要だと考えますが、見解をお伺いします。

6月20日(火) 島田絋清部長答弁
 担当課 総務部 市町村振興課

・旧町村部対策については、県として、市町村合併を議論していた当時から問題意識を持っており、平成17年度から道路整備や農林水産業の振興など、毎年約300億円の予算を優先配分してきた。
・各振興局職員も直接現場に出向き、住民の声を伺い、地域資源を活用した特産品開発や高齢者の見守り体制づくりなど、集落の活力づくり、機能維持の支援に努めている。
・しかしながら、少子高齢化や人口減少の波は、合併の有無にかかわらず押し寄せており、各地域で小規模集落が増えているのも確かである。
・そこで県では、27年度から市町村と連携し、集落機能を広域で補い合うネットワーク・コミュニティの構築にカを入れている。
・例えば、大分市の野津原地域では、NPO法人が行う地元農産物の集荷・販売やスポーツ・健康教室の取組に対し支援するなど、地域に住み続けたいという住民の願いをかなえるための事業を進めている。
・引き続き市町村とも連携し、住民が安心して暮らせるよう、各地域の行政サービスが充実するよう支援していく。




2 農業産出額の拡大について
 農林水産省は2015年の農業産出額を発表しましたが、残念ながら本県の全国順位は25位であり、沖縄を除く九州では、10年ぶりに佐賀県に抜かれ、7位となってしまいました。
 熊本、宮崎、鹿児島の3県は、耕地面積が絶対的に広く規模が違います。しかし、福岡、佐賀、長崎の3県とは気候、風土や耕地面積に大差がないと思われることから、ぜひとも追い抜く必要があると感じています。
 九州各県の農業産出額はトップが鹿児島県で4,435億円、2位が宮崎県で3,424億円、3位が熊本県で3,348億円、次いで福岡県が2,191億円、長崎県が1,553億円、佐賀県が1,303億円で7位の本県は1,287億円の順となっています。
 九州農政局では、佐賀県と大分県が入れ替わった大きな要因はコメ、園芸、肉用牛にあると分析しています。本県では主要品目のコメは17%を占めていましたが1億円減となり、逆に佐賀県は23億円増えたことにあるといっています。
 各県の上位産出額を品目別にみると、トップの鹿児島は肉用牛、豚、ブロイラーが上位。2位の宮崎もブロイラー、肉用牛、豚と1、2位ともに牛豚、鶏と畜産に主体を置いています。ところが本県は肉用牛も豚もいずれも産出額が他県より低く、大規模市場への出荷が思うように進んでいないことが原因ではないかと考えられます。
 農業を考える上で、最も基本的なことは農家戸数です。近年では農家の高齢化が進み、若い後継者が育たず、農家戸数は減少の一途をたどっています。
 ここ5年でみても、2010年の46,623戸に比べ、2015年には39,475戸で、戸数で約7,000戸、率にして15%も減っているのです。また、2015年の販売農家のうち、専業農家は40%の1万戸にすぎません。
 畜産農家も減少の一途で県内では、一般農業と同じように厳しい現況に追い込まれています。特にTPP脱退でアメリカとのFTA (二国間貿易交渉)交渉になれば、厳しい関税を求められる可能性があり、極めて苦しい立場に追い込まれるものとみられています。
 このような厳しい状況の中、どうしたら本県の農業が発展できるのか、専門家の人たちなどと話し合いました。ある人は、県は農業の法人化や大規模化を進めているが、もともと県農業は家族経営を基本とし、コツコツと営農をやることで品質が保たれてきたと言います。
 また、ある人は、米は主要産業だが、思い切って超優良な品種だけを選び、高い価格帯を目指すべきだと、思い切った選別栽培を主張しています。
 ある人は、本県の農産品には、近代的な研究開発によるオリジナルな有名品種が少なすぎると嘆いています。
 また、伝統的な野菜であるキャベツ、白菜、大根などは選別し、一方で、本県のトマト、ネギ、キュウリ、豆類などは、品質が良く、付加価値が高い品種であることから、これらに集約すべきだという意見もあります。
 農業現場での高齢化、離農は避けられません。一部若い担い手も増えつつありますが、今の農業に必要なことは、農業試験場などがもっと腰を据えて独自の品種を生み出すことと、新しい技術開発によって、労働集約型の大分県方式と呼べる農業を確立することだと考えています。
 本県農業の振興を図るうえで、特に重要となる試験研究をどのように進め、本県農業産出額の拡大を図っていくのか知事の考えを伺います。
 以上で私の質問を終わります。執行部の真撃な答弁を求めます。


6月20日(火) 広瀬知事答弁
 担当課 農林水産部 地域農業振興課(浅田 3560)

 本県は、農林水産業の振興にあたって「市場が求める商品を、求める形で、そして付加価値を付けて」というマーケットインの発想で取り組んできました。研究開発の分野では、この理念に加えて、生産現場のニーズに応えるという視点が大事になります。
 例えば、国内外で既に高く評価されている梨については、生産者から、「老木化した樹園地を改植したいが、成固化するまで十数年かかるので決断できない」という声が寄せられていました。このため県では、3年で成園並の収量が確保できる流線型仕立の技術を開発し、現在県内各地に普及しています。生産者からは「収量だけでなく品質の面でも効果がある」という声をいただいています。
 葉たばこの廃作に際し、転換品目のーつとして推進してきた高糖度かんしょ「甘太くん」は、消費の中心となる女性の噌好をリサーチした上で、品種の選定を行い、栽培・貯蔵技術を確立し、商品開発に繋げたところです。今や販売額は5億円を超え、市場からは、さらなる産地拡大を求められています。
 オリジナル品種の開発も、マーケットを広げるという観点から大事な課題です。
 県酒造協同組合との共同研究により開発した焼酎用大麦「トヨノホシ」は、県内酒造メーカー12社から商品化が相次いでいます。議員有志の応援、ご愛飲もあり、焼酎ファンの評判も上々で、県内各地で産地化を図っていくこととしています。
 また、京都市場でシェア1位を獲得しているいちごは、クリスマス等の需要期の出荷増や赤い色の濃い品種が求められていました。こうした課題に応え育成した「大分6号」は、苗の増産を急ぐとともに、クリエーターにネーミングをお願いしており、9月頃には披露したいと考えています。
 畜産分野でも、研究開発の成果が出てきています。
 おおいた豊後牛や県産ブランド豚「米の恵み」は、オレイン酸に着目し、肉の味や旨みで差別化を図っています。こうした研究成果に注目した外食チェーンでは、関東・関西で豊後牛専門店の展開を目指しており、今月末には、第1号店が大阪で開店します。県としても、大消費地での認知度向上や販路拡大に向け、サポーターショップとして認定し、積極的に応援していきます。
 研究開発は、派手さはありませんが、産業振興の下支えとなる大事な行政分野です。「ニーズ」「スピード」「普及」 を基本において、農業産出額の拡大はもとより、生産者所得の向上に寄与するよう、しっかり力を入れたいと考えています。